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スラムのネットカフェは貧困ビジネス?

マニラのトンド地区にあるスラムのツアーに行ってきました。

スラムを支援しているオランダ系のNGOが主催するツアーです。

(smokeytours)

見た目はまさにスラムでしたが、意外にのどかでフレンドリーでした(まぁ、殺伐としたスラムだったら、ツアーなんてやらないでしょう)。

海に面した立地で漁をしてたり、農作物を仕入れて加工するとこがあったりと、スラム内で商売をしてますし、無料の公立学校や病院があったりと、かなり良い方のスラムなのでしょうね。

ちなみに、トップ画像は、スラム内にあるブックカフェ?で仕事をしている様子です。

スラムを回って驚いたのは、スマホを持っている子供もいたことと(もちろん格安スマホでしょうが、iPhoneによってスマホ開発競争を巻き起こし、フィリピンのスラムの子供の手にスマホが渡る世界を作ったジョブズは凄いですね)、「ピソネット」という、1ペソ(「ピソ」といいます。日本円で2円)で、5分利用できるネットカフェがスラムのいたるところにあって、大勢の子供たちがFacebookやネットゲームをやったり、youtube を見ていたことです。

インターネットは世界を劇的に変えたんだな、と思いました。

で、自分がここで生まれたらどうサバイブするか考えたのですが、youtuberになってスラムの日常をコンテンツにしてGoogle AdSenseの広告収入で稼ぐのが手っ取り早そうですね。

格安スマホで撮影して、ピソネットで編集すれば、すぐにアップできるでしょうし。

ただ、この「ピソネット」というのは、それこそ貧困ビジネスと言えるような仕組みになっていました。

ピソネット筐体の販売価格ですが、ゲームまで全て揃った状態で12,000ペソ(日本円で大体25,000円)だそうです。

で、ピソネットは1ペソで5分で遊べるので、電気代や人件費などの固定費を考慮せず、1日の稼動を12時間として試算するなら、12,000/(12*60/5*30)で概ね3ヶ月で運営側は元が取れるとのこと! 仮に利益率50%でも、半年で元が取れる計算になりますね。

人件費については、筐体が公衆電話みたいに1ペソコインを投入しないと起動しないし、厳重に固定されているし、なにより人口密集度の極めて高いスラムなので、周りの目がある中で筐体を盗み出すのも困難なので、それこそ店番が常時いなくても(人件費をほとんどかけなくても)運営できそうです。

稼働時間についても、見た限りどこもほぼ満席でしたので、1日稼働を12時間と計算することは現実的です。

ピソネットは、フィリピンのローカル層では割と活発な投資案件だそうですが、これだけ高利回りなら納得ですね。

ですが、裏を返せば、ピソネットの料金設定は割高なわけで(利用者は搾取されているわけで)、だったら自分でお金をためてパソコンを買ったほうが安上がりだと思うのですが、残念ながらフィリピンの国民性として、貯蓄をするという概念があまりなく、その日暮らしなライフスタイルなため、それができる人は少ないようです。

フィリピンの国民性を物語るエピソードとして、例えば会社は月給を半分に分けて、社員には月に2回支払います。給料日にすぐに使ってしまうので、1回にまとめて支払うと、生活が破綻するからだそうです。

他にも、シャンプーや歯磨き粉などの消費物も、ホテルのアメニティみたいな数回分入った小袋のものが売られていて、中間層でもそれを買うのが一般的だそうです。ボトルで買った方がはるかに安いのですが、やはりその日暮らしなのですね…。

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