日本企業のフィリピン進出を支援しているValueAsia Philippinesの代表の三宅さんから、フィリピンでのビジネスについて色々とお聞きしました!
ValueAsia Philippinesは、フィリピンでビジネスをする日本企業向けに、会社設立手続き、許認可取得、物件契約や求人・採用のサポートなど、フィリピンでビジネスを始めるにあたって必要な(会計業務を除く)あらゆる手続きや作業をトータルでサポートする企業です。
三宅さんからは、フィリピンでビジネスをすることの面白さと難しさを色々と聞いたので、シェアできる範囲で以下まとめます!
・フィリピンの会社設立手続きは不条理で不合理な仕組みになっている。2017年から始まったオンライン申請によって、書類申請の時よりもかえって手続きに時間がかかるようになった(6ヶ月待ちとかざらにある)
・役所間で連携が取れていなかったり、話が矛盾していることもあり、何も考えずに手続きを進めると必ずどこかで詰む。落とし穴だらけ。色々なことに精通していないと太刀打ちできない。
・10年以上この仕事をやっていてノウハウが溜まっているのが競合優位性。毎回頭を使う仕事が多く(ルーチンではできない)、大変ではあるが
・大卒は皆英語が話せる(大学の授業が英語)。人材の質にはばらつきがあるが、仕事よりも家庭を重視するところと、単純作業の繰り返しに苦を感じない傾向にある。残業はしたがらない。仕事を自己実現ではなく生活の糧と考える人が多い。そのため、労働時間短縮や生産性向上といった考えはあまりない
・日系企業の進出でいうと、最近は大卒エンジニアの給与水準が急上昇していて、今では採用が困難なので、IT企業の進出は今は難しいかもしれないが、BPO(事務のアウトソーシング)やCAD系などであればまだまだ採用しやすい
・業種によって、100%フィリピン人出資でないと設立できない会社もあれば、100%外人出資で設立できる会社もある。フィリピンに進出するなら、「何のビジネスをやりたいのか」、キチンと決める必要がある。日本の定款変更みたいに簡単に業種は変えられない
・可処分所得の向上に伴い、ハイソサエティー向けの健康志向の飲食や、美容、サービス業などのニーズもある
・英語圏ということもあり、欧米企業の大規模コールセンターやオフショア会社も多い。日本企業はそこまでプレゼンスを示してはいない(藤井注:これは今や世界各国どこもそうですが)
・非正規雇用で半年勤務すると正規雇用に転換する法があるため(そして正規雇用になると解雇が困難)、企業が半年で非正規雇用を終わらせる傾向にあり、スキルアップしてキャリアを高めていける人が少ない