国民1人当たりGDPがASEAN域内でシンガポールに次いで2番目に高い豊かな国ということになっているブルネイに行ってきました。
ブルネイには2大ショッピングモールがあるのですが、写真1枚目のヤオサンコンプレックスは店舗がスカスカ、2枚目のザ・モールは賑わってはいるけどB級な感じ。
観光スポットはほとんど無いし、現地旅行会社も少なくてツアー代も物価に比べると高いし、タクシー全然走ってないから移動が不便だし、レストランも少ないし(トリップアドバイザーで1位のレストランは「KAIZEN SUSHI」)、夜は早々にどのお店も閉まるのでホテルに帰るしかないし。
これが、国民1人当たりGDPがASEAN域内でシンガポールに次いで2番目に高い豊かな国なの?レジャーもショッピングもグルメもファッションも楽しめる感じではないけど…、と思ったのですが、これって外国人、消費社会から来た人間の一方的な見方であって、ブルネイの人は幸せに生きているんだな、とはたと気付いたのでした。
厳格なムスリムの国であるブルネイには至る所にモスクがあります。
ブルネイ人の皆さんは規則正しく夜明けの礼拝時間から祈りを捧げています(だから寝るのも早い)。アルコールは禁止だからお酒のトラブルも無く健康的。女性はヒジャブ(スカーフのような一枚布)を被って落ち着いた格好をしているからファッションで同調圧力やマウンティングや金欠に悩まされることも無し。刑法が半端なく厳しいので治安も良い。
その上、石油・天然ガスの産出国で外貨で潤っているので、個人所得税や消費税はなく、医療・教育費も無料。 就業している国民の6割が公的セクターで働いていて、公的セクターは給与水準も高い(王族が富を独占しないで国民に適切に分配している)。インフラも整備されていて、行政サービスも充実。
高い所得と無税のおかげで1人1台車を持っているし、道路は広くて人口は少ないので渋滞もなく移動も楽。お酒飲まないから飲酒運転も無し。
南国だから農作物も豊富に取れるし、年中暖かいから、飢死も凍死も心配無し。
観光スポットとかタクシーって言われても、そもそも観光で外貨を稼ぐ必要ないし、お酒飲んで下品な外国人観光客が増えても嫌だし。だから外国からの知名度が低くてても問題無し。
レジャーやショッピングだって、マレーシアやシンガポールは飛行機ですぐ行けるので、そこで楽しめばいいし。それにネット社会だから、youtubeとかNetflixとかでデジタルコンテンツはいくらでも楽しめるし。
そう考えると、ブルネイの人ってものすごく幸せに生きてるんだな、と思ったのでした。
この写真は、ブルネイ市街地の真向かい、ブルネイ川の中にある水上集落です(集落内の移動は乗合ボート)。600年以上の歴史を持ち、世界最大の水上集落で、生活者はなんと約3万人! 市街地に人がいないと思ったら、みんなここで生活してたのでした。
国民1人当たりGDPがASEAN域内で2番目と言われるとリッチな人々のように感じますが(実際、可処分所得は相当でしょうが)、みんな「自分達にとって」幸せな生活をしているのでしょう。