インドネシア人のバリキャリビジネスウーマンのWikaさんとお会いしました。

Wikaさんは世界大学ランキングでアジアNo.1のシンガポール国立大学を卒業し、インドネシア弁護士資格もあり、英語も日本語も堪能で、今は商社で働き、大型プロジェクトを担当してインドネシア各地を飛び回りながら、政府や地方自治体や地元企業とのタフな交渉を日々されているそうです。

まさにバリキャリのビジネスウーマンですが、そういうキャリアの女性はインドネシアでは少ないそうです(職場でも女性社員は少ないそうです)。

日本は女性の社会進出が残念ながら十分ではない国ですが、インドネシアも同様のようです。特に、オランダの植民地時代に伝わったファミリアリズム主義の影響と、国民の90%近くがイスラム教ということもあり、伝統的な家族観、つまり男性は家の外で働いて稼ぎ、女性は家の中で家事や育児という考えが(都市部や若い世代では薄まってはいるものの)まだまだ根深いそうです。

この手の男女の問題って、人種(遺伝的要因)ではなく文化の影響が強いから(同じ東南アジア圏でも、例えばフィリピンなんかは、男性が全然働かずに妻や母任せにする文化なため、女性の社会進出が凄くて、管理職は過半数が女性だったりします)、すぐには解決しないものの、世界全体がリベラル化する現代では、時間が解決してくれそうですね。

海外生活経験もあり、よく世界を旅しているWikaの目から見て、ジャカルタは交通渋滞が酷いなど(オフィスから自宅まで1キロ程度なのに、交通渋滞に巻き込まれると、車で1時間半〜2時間もかかるそうです。歩いたほうが断然早い!)の問題もあるものの、ここ最近はITサービスが急速に発達していて、生活が便利になっているそうです。

特に、都市部の人間にとって欠かせないサービスが、インドネシア発のライドシェアサービス大手「Go-Jek」(インドネシア版Uber)が手がける「Go-Life」です。買い物代行、フードデリバリー、マッサージ、ヘア・ネイルサロン、クリーニング、掃除、車のメンテナンスなど、あらゆる「人になにか頼む系のサービス」が、シェリングエコノミーで個人に依頼できてしまう(値段も安いし、家まで来てもらえる)、という超絶便利サービスです。中国ではTencentのWeChatが同様のサービスをやっていますね。

人口が極めて多く(世界人口ランキング第4位の2.6億人)、労働力が有り余っていることと、「パシリ文化」が根付いているため(企業内に「オフィスボーイ」という、月給1万円でオフィスに常駐してあらゆる雑務をやる人がいるのが一般的だそうです。最近は減っているようですが)、そういう(言ってしまえばパシリサービス)が受け入れられたのでしょう。

最近は若い世代の人気の就職先もIT産業らしく、若くして大金持ちになる起業家も続出、給料も非常に良いそうです(逆に伝統的な重厚長大な産業は低調なようです)。

Wikaさん、とてもおもしろい話をありがとうございました!