ジャカルタで複数の会社を経営し、IT、マーケティングリサーチ、日本語教室、翻訳などのビジネスを手がけているPepiさんとお会いしました。

ジャカルタ出身のPepiさんは子供の頃に見た仮面ライダーなどをきっかけに日本のポップカルチャー(漫画、アニメ、音楽、ファッション)が大好きになり、大学で日本文化を学んだ後、日本に語学留学をして日本でも働かれ、その後ジャカルタに帰国され、日本のコンテンツをインドネシアに広めることをサポートするビジネスを手がけるようになったそうです。

海外の方が日本のポップカルチャーをきっかけに日本を好きになり、日本に留学に来たり日本のビジネスに関わってくれるのは嬉しいですね。文化による影響力(ソフトパワー)の重要性を感じます。ちなみに、Pepiさんの奥さんも日本のポップカルチャーが好きで、2人の出会いのきっかけも日本のミュージックだったそうです。

ただ、最近インドネシアでは韓流コンテンツの人気が圧倒的で(韓国は国をあげてドラマなどの版権を海外に安く提供し、テレビなどでバンバン流してもらい、一気に人気を高めるやり方をしていて、特に東南アジアでそれが成功しています。先日ミャンマーに行ったら、多くの若者が韓流メイクとファッションでした)、残念ながら日本のコンテンツの存在感はかなり薄まっているようです。

その代わりに、インドネシアでは今や日本車のシェアが95%以上あって、日本といったら自動車大国だと、その技術力は高く評価されているようです。そんなこともあり、最近はインドネシアの会社が日本に進出して日本の先端技術を学び、それをインドネシアでのビジネスにフィードバックさせるようなことも増えているそうです。

Pepiさんからは、世界第4位の人口で高度経済成長のインドネシアでビジネスをやることの面白さ、急速に社会インフラが整備され、生活水準やモラルが劇的に向上していくことの嬉しさ、若者の起業マインドの高まりなどを、インドネシア人の方の実感、生の言葉として聞くことができました。「今のインドネシアは、あしたのジョーの世界(1970年代の日本)にスマホとネットがあるようなもの」なんて説明を受けて、なるほど!と思いました。

また、インドネシアと日本の架け橋となりたいと思ってビジネスをしている中で、日本が好きで日本で勉強や仕事をしていたからこそ分かる、日本企業の強みと弱みに関する意見も、とても鋭いものでした。数年で状況が三段跳びで変化するインドネシアにおいて、過去の実績やデータを重視しすぎたり、意思決定プロセスが複雑で長い時間のかかる日本企業が出遅れてしまい、もどかしく感じることもあるそうです。

その一方、インドネシアの若者の文化的成熟度や所得が劇的に高まっている中で、ハイセンスな日本のファッションには大きな可能性を持っている(もはやインドネシアの若者は、欧米の高級ブランドを見せびらかすなんてダサいと感じている)そうです。

Pepiさん、多忙な中、色々教えていただきありがとうございました!