中国のキャッシュレス社会が、最近日本でも話題です。

このキャッシュレス社会を実現した二大決済アプリが、中国の巨大IT企業であるテンセント社とアリババ社の、WechatpayとAlipayになります。

では、この2つの決済アプリって何が違うのでしょうか?

まずそもそも、どの店舗でも基本的にWechatpayとAlipayの両方を対応しているので、クレジットカードみたいに「この店舗は●●には対応してません」みたいな目に遭うことはないそうです。

ちなみに、Wechatpayを提供しているテンセント社の上海オフィスに行きましたが、社内のカフェのレジもAlipay(支払付宝)に対応していました。

上の写真がそれです。とはいえ、「推奨使用 微信支付」(Wechatpayの使用を推奨)とされていますが(笑)

では、中国の人は両者をどう使い分けているのでしょうか?

両者の違いは色々あるのですが、少額決済はWechatpay、高額決済はAlipay、と使い分ける傾向があるようです。

というのは、ネット通販サービスのAlibaba(中国版のAmazon)から派生したAlipayは、商品売買の決済での使用から広がっていったため、ちゃんとした買い物で使うという位置づけだったそうです。

Alipayの利用を開始するためには、実名での個人認証や、中国の銀行口座とのヒモ付が必要ですし、色々手続きが面倒だそうです。

一方で、コミュニケーションツールのWechat(中国版のLINE)から派生したWechatpayは、割り勘などでの個人間送金での使用から広がっていったため、気軽にお金をやり取りする際に使うという位置づけだったそうです。

Wechatpayの利用を開始するためには、Wechatのアカウントがあればいいのですが、そもそもニックネームでもアカウントを作れますし(LINEと同じですね)、中国の銀行口座とのヒモ付をしなくても、すでにWechatpayを使用している人から「Wechatpayで送金」をしてもらえば、ウォレットにチャージができるのですね(※2018年3月から、中国で発行されたクレジットカード又は銀行口座がないと、ウェオレットを有効化できなくなってしまったそうですが)。

ちなみに、最近の中国関連のニュースで、個人の信用情報を集積して信用スコアが算出されて、信用スコアが高ければ公共サービスや民間サービスで様々な優遇を受けれる一方、低ければ冷遇されるという仕組みがよく紹介されますが、あれはalipayの付随機能の「芝麻信用」という信用情報管理システムによるものなのですね。この辺りからも、Alipayの位置付けがよくわかります。