無印良品ブランドのホテル「MUJI HOTEL」が、2018年1月に深セン、3月に北京で開業しました。
今回、記念すべき第1号店である深センのMUJI HOTELに泊まりましたので、レポートします。
MUJI HOTELのコンセプトは「アンチゴージャス、アンチチープ」だそうです。
過剰な設備やサービスは提供しない。しかし、決してチープではなく、洗練された品質が保たれている、ということです。
まさに無印良品に通じるコンセプトですね。
館内は木材を中心にした内装でして(使われてる木材は古い家や船のものを再利用しているそうです)、家具や備品はほぼ全て無印良品の商品です。
「よく眠る」「よく食べる」「よく歩く」「よく整える」を実現するため、寝具類は全て無印良品の高品質な商品を使用、健康的なメニューの「MUJI Diner」(MUJI Cafeのようなデリではなく、テーブルで注文して出来たてが運ばれてきます)が併設され、立地は街の中心部かつ公園の側で散歩がしやすく、室内に置かれているのは必要最低限の物だけで、気持ちを整えることができるようになっているそうです。
館内は、2階にロビーとMUJI Diner、3階にパブリックエリア(会議室、ライブラリー、ジム)、4〜6階の客室、計5フロアと、シンプルな構成になっています。
このMUJI HOTEL、無印良品を手掛ける株式会社良品計画が運営しているわけではありません。
(運営は、小田急電鉄グループのUDS株式会社の中国現地法人です)
良品計画はあくまでも、コンセプト策定、内装デザイン、家具や備品の提供にとどまっているそうです。
これはようするに、良品計画としてはホテル運営事業によって利益を上げるつもりではない、ということですね。
無印良品は中国で、日本独自の美意識・精神性を体現するハイブランドとして認知されているそうです。
その価格設定は日本の1.5倍程度、しかも、急激に経済成長をしている中国とはいえ、まだまだ平均賃金は日本よりも低いです。
となると、日本人からすれば2倍以上の価格帯だということですが、無印良品は中国で愛され、2018年現在、中国全土で200店舗以上展開しているそうです。
ということは、このMUJI HOTELは、個々の商品にとどまらない無印良品の世界観、無印良品のある生活を、中国の人に体感してもらうためのショールームとして位置づけられるのではないでしょうか。
「モノよりコト消費」が先進国でのトレンドになっていますが、無印良品が中国でやろうとしていることは、まさにそれなのでしょね。