ラトビアのスポーツテックスタートアップ「Play Gineering」でCEOをしているRichardさんから、Play Gineeringが切り開く未来のスポーツの世界を聞いてきました。このサービスが広まれば、それこそママさんバレーのチームがデータ分析で強化され、試合が全世界にライブ配信される日が来るかもしれません。

CEOのRichardさん

・設置したカメラ(定点撮影カメラと自動追跡カメラ)がスポーツの試合の様子を撮影して、リアルタイムで選手やボールの動きを分析し、タブレットやPCに表示するサービス。コーチが試合中にリアルタイムで選手の動きを分析して戦術を検討したり、コーチが試合後に試合内容を検討して選手の強化に役立てる。「deta based decisions」=データに基づく決定をサポートする

・カメラやタブレットは市販品でOK。サブスクリプリョンモデルのオンラインサービス

・バスケ、ハンドボール、アイスホッケーに導入実績あり、今後はサッカーにも導入したい(屋内スポーツ施設だとカメラを天井に設置できるし、高さが決まっているのでアルゴリズムが組みやすいが、オープンな試合会場での設置は研究中)

・競合優位性として、市販品のカメラやタブレットを使うので高額な専用機を購入する必要がなく、オンラインサービスなので顧客が自前でサーバを用意する必要もなく、低コストで簡単に導入できることや、各種スポーツごとの統計情報を研究し、高度な機械学習アルゴリズムを使用しているので、高度な自動追跡(ズームインやズームアップも)や有益な分析結果の提供ができる。当然、数多くの特許も保有している

・スポーツのオートトラッキングビジネスの領域で競合は4社しかない。しかし競合はプレイヤーを追跡するのに4台のカメラが必要だが、うちは1台でOK。うち1社でマーケットシェアの80%を占めている

・今のところ、主な顧客はプロスポーツチーム。BtoBの展開。あくまでもチーム内での分析に活用。あとはプロスポーツリーグに導入してもらい、自動審判機能を利用してもらったり、試合会場のスクリーンに分析結果を表示して観客を楽しませたり。手堅く事業展開

・今後は放送事業者とも契約をして、試合中継の視聴者のスマホアプリにリアルタイムで分析結果を表示するサービスを展開することも検討。BtoBtoCの展開。こうなれば一気にスケールする

・さらにライブ配信機能を強化して、それこそ小規模だったり、アマチュアのスポーツチームが、試合中継をファンのスマホアプリにライブ配信するような未来も。オープントラッキングの民主化を目指す

・日本のdocomoとも事業提携をした。docomoはDAZN(ダズン)も展開しているし、今後が楽しみ

・コーチはデータに基づいた決定ができる。それによって選手のパフォーマンスが向上する。自動追跡の映像によってエンターテイメント性が高まり、多くの顧客も獲得。ライブ配信が無理だった小さなチームでもライブ配信が可能になり、スポンサーも獲得できて、収益が向上する。関係者全員が満足できるサイクルが実現する

Play Gineeringの従業員は、2018年5月現在36名ですが、そんな小さなスタートアップがdocomoと事業提携をしたり、全世界のスポーツビジネスを未来に変えようとしている話を聞いて興奮しました。スケールが大きくていいですね!

オフィス内もスポーツ用品がいっぱい