Amazonのリアル書店「Amazon Books」は、店内撮影禁止だったので、その詳細をレポートします。
店内に入ってまず驚くのが、全ての本が、本屋でよく見る背差し(棚差し)ではなく、表紙を正面向けて陳列する「面陳(面陳列)」、「面展(面展示)」であったり、台表紙を上にして本を積む「平積み」で陳列されていることです。
まさに、オンラインのAmazonストアで本を選ぶときのような、視覚的に分かりやすい表示です。
更に、その品揃えも特徴的です。
普通の本屋だと、新刊や受賞作、話題の本を前面に展開しつつ、売れ筋の定番のラインナップを揃えていますが、Amazon Booksでは、オンラインのAmazonストアでの星数評価や、カスタマーレビュー、売れ行き等から厳選された約5,000冊が、150坪の店内に陳列されています。
まさにビッグデータを持つAmazonならではのラインナップです。
しかも、プライスカードによる価格表示がありません(代わりにバーコードが大きく表示されています)。
Amazon Booksでの購入価格は、オンラインのAmazonストアと同様に需給状況に応じて価格を変動させる「ダイナミック・プライシング」が採用されています。
ちなみに、スマホのAmazonアプリを立ち上げてカメラモードにして、表示されたバーコードを読み取れば、オンラインのAmazonストアでの値段とカスタマーレビューが表示されます。
そのままアプリ上で注文すれば、レジで並んで本を買う必要も、本を家に持って帰る必要もありません。
つまりAmazon Booksは、「試し読みの場」としても使えるのですね。
漫画などの巻数がまたがる本は1巻しか置いてないことからも、そのように位置づけられた店舗であることが分かります(続きを読みたければ、Amazonストアで注文してねということです)。
子供向け書籍のコーナーの充実度にも驚きました。
0〜3歳向け、4歳〜6歳向け、といった感じで、非常に細かくセグメントして本が陳列されていて、しかもコの字型のコーナーの中心部は、キッズスペースになっています。
そこに置かれているのは、安全なシリコンクッションで覆われたFitre TabletsのKids Edition。
子供のうちから囲い込む戦略ですね。
さらに、書店では珍しい返品制度を導入しているそうです。
本の内容が気に入らなかった場合など、購入から30日以内に返品すれば、全額返金されるそうです。
この返品のしやすさ、保証の万全さも、Amazonならではですね。
Amazonは、オンラインショッピングに改革をもたらし、もはや物流会社、インフラ会社にまで成長しています。
しかし、顧客ベースを拡大するには、リアル店舗を多く開設する必要があると考え、5年以内に実店舗を100店展開するそうです。
インバウンドブームの収束で経営が悪化している百貨店の跡地に、Amazonがリアル店舗を構える日も、遠くないかもしれませんね。