東南アジア各国で日系企業・ローカル企業に対してSNSマーケティング支援などを手がけているクリスク社で、マレーシアの文化やビジネス、SNSマーケティングに関して紹介するセミナーに参加してきました。
最初に話をされたのは白似田洋介さん。僕が東南アジアに行くときにいつも現地の日本人を紹介してくれる、東南アジアで顔の広いビジネスマンで、クリスク社で海外事業を担当されています。
・日本は、人口あたりのインターネット普及率は東南アジア各国の中でも特に高い一方で、Facebook普及率は飛び抜けて低い(高齢化が原因)
・マレーシアの基本情報:東南アジアの中ではシンガポールに次ぐ先進国。マレー系(69%)、中国系(23%)、インド系(7%)。全く異なる3文化が混在している
・インターナショナルスクールの生徒数が東南アジアで一番多いなど教育環境の充実
・ららぽーとが作られるなど不動産開発ラッシュ。KLのツインタワーの片方は日系デベロッパーが建築して、当時は日本のプレゼンスが強かったが、最近は中華系のデベロッパーによる開発がラッシュで、中国のプレゼンスが強い
・訪日マレーシア人の数は右肩上がり。桜や雪のシーズンの訪日数が多い
・延べ宿泊者数1位は北海道。2位が東京、3位が大阪
・訪日マレーシア人の訪日旅行に関する期待内容:日本食を食べること、自然・景勝地観光
次に話をされたのは中国系マレーシア人のりつさん。日本語を8年間独学で勉強して(留学もせずに)ネイティブ並みに日本語が話せる才女です。クリスク社のマレーシアオフィスで、定期コラムの執筆やSNSの発信、インフルエンサーとの仕事をされています。
・好きな観光地:下北沢(アートな感じ、車が走っていない、古着、ライブ)、渋谷(スクランブル交差点、ユニークなミュージアム、若手アーティストの展示をする美術館、若者文化の発信地、渋谷で取材を受けたことがある
【20代女子が語る。マレーシアのここに注目】
・13連続日本人が住みたい国「世界No.1」に選ばれている。MM2H(長期のビザ取得プログラム)が使われている
・日本人が住みたい理由:英語が通じる、治安が良い、日本人向けの情報が充実している
・バリエーション豊かな食文化:イスラム教、仏教、ヒンドゥー教。マレー系は豚が食べれない&飲酒もNG。中華系はなんでもOKだが、牛肉を食べない方が一部いる。ヒンドゥー教では牛は神聖な動物とされてるので、牛肉は食べない
・断食月のお楽しみ・ラマダンバザール:約1か月間続く。この期間は、水を飲むことや性行為も禁じられる。ラマダンバザールでは、ラマダン料理が提供される屋台が出る。屋台料理なので、お腹に自信がある方は挑戦してみてもいいかも。
【東南アジアのSNS利用状況】
・マレーシア人がよく使うチャットアプリ:WeChat、WhatsApp、Messenger
・2019年に注目すべきSNSマーケティングプラットフォーム:
-Youtube:動画をアップするのに編集や撮影など面倒な作業が多い。チャンネル登録数が多いYoutuberは1,000名未満。
-Instagram:カフェやライフスタイル、ファッション、観光など視覚的に優れた商品はInstagramが使われている。コンテンツとしては動画の方が要求されることが多い。動画の方が写真投稿よりも説明を入れやすい。IGTVは影響が見られていない。積極的にコンテンツを制作する人は少ない
-Facebook:インフルエンサーのデマンドは下降ぎみ。FBのアカウントを持っている人が少ない。15〜21歳の若い世代は特にアカウントを持っていないことが多い
-TikTok:素人でも投稿しやすいし、簡単な動画でもバズる。友達と撮ること自体を楽しめる。ゲーム感覚で流行の振り付けなどを楽しめる。フォロワーを獲得しやすいので、マレーシアでは自分のインフルエンサー力をつけるためにはじめる方もいる
【まとめ】
・マレーシアでは、Instagramやスナップチャットのストーリーにあげた動画は24時間後に消えてしまうから、企業として活用しづらい
・TikTokは15~21歳が使っているが、その層はお金を持っていない。認知は上がるが企業としては、そこの層へのアプローチはしにくい
参考(りつさんが書いた記事):2019年のマレーシア最新SNS&インフルエンサー事情を紹介します
・https://www.clisk.com/column/asean-marketing/4573.html
最後は質疑応答でした。
・日本人向けのマレーシア情報が少ないのに、なぜ住みたい国No.1なのか?
→インフラが整っている。暮らしやすい。ロングステイを推している。タイはツーリズムに力を入れている。物価も安い。
・マレーシアで流行っているアニメは?
→NARUTO、コナン、ワンピース、ドラえもん、クレヨンしんちゃん。マレー語で吹き替えされている。日本のアニメだとわかって見ている。オープニングやエンディングの曲は日本語
・マレーシアでは、どの民族が日本の文化に興味を持っているのか?
→マハディール首相が日本との関係を推していることもあって、どの民族も日本文化に興味を持っている
・3民族に関して
→学校は、公立(3民族入っている)、中華系の私立、中華系の公立、の3種類。自分は中華系の私立だったから、マレー系、インド系の友人はそんなにいない。マーケティングをする上で、セグメンテーションする必要がある。中華系の人の方が年収を高い
・なぜTikTokはフォロワーが増えやすいのか
→動画を上げやすい。Youtubeはフォロワーが多くないと表示されないが、TikTokはフォロワーが少なくてもタイムラインに1,2回は表示されるようになっているという点でも構成
・広告を打つ時にどこのメディアでどうセグメントして出稿しているのか?
→Facebookでセグメントする。言語でセグメントする(中国語は中華系、マレー語はマレー系、ヒンドゥー語はインド系)。検索にはGoogleを使う。ブラウザはChromを使っている。
白似田さん、りつさん、ありがとうございました!