クアラルンプール在住のよしもと芸人、KLキンジョーさんにお会いしました。

KLキンジョーさんは「住みますアジア芸人」(よしもと芸人がアジア各国に移住して現地で人気ものになることを目指すプロジェクトで、2019年現在、他の地域では台湾、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーがあります)として、2015年5月にクアラルンプールに移住して、かれこれ4年ほど現地で活動されています。

マレーシアに縁もゆかりもない中で、ピン芸人として単身クアラルンプールに移住し奮闘されているKLキンジョーさんのお話は、芸人さんとしてではなく、ビジネスマンとしてもとても面白かったです。

マレーシアはマレー系(6割)、中華系(3割)、インド系(1割)の混合国家で、各民族が各コミュニティで母語を話しつつ、英語が共通言語になるという面白い国です。

ただKLキンジョーさんは、あえてマレーシアの多数派であるマレー系に向けて、マレー語でタレント活動をされています。

言語だけでなくカルチャーも各民族で別個独立しているので(マレー系の間で流行っても、中華系の間では全然知られてないとか)、英語で活動しても広く薄くなってしまうこと、それにローカル言語であるマレー語が話せる外国人(日本人)タレントはレアなので、差別化が図れると考えたからだそうです。

戦略としてはもっともなのですが、日本人にまったく馴染みのないマレー語をゼロから勉強し、そしてタレントというトーク力が要求される仕事でそれをやられているのは凄いことですね。

地道な活動の結果、マレーシアのテレビドラマに出演したり、イベントに登壇したりと、マレー人の中でも徐々に認知が高まっているそうです。

ただ、マレーシアでは劇場に行ってお金を払ってコメディアンのショーを観る、みたいな文化がないため、コメディアンというより、テレビタレントとしての売り出し方をされているそうです。

とはいえ、マレーシア芸能界では、タレントだけで(安定して将来にわたって)食べていける人は少ないので、多くのタレントはその知名度を活かしてビジネスを手がけて、そこでマネタイズをされているそうです。

KLキンジョーさんは、今ではすっかりマレーシアを気に入ったこともあり(人口増、経済発展、多様性、治安やモラルも急速に向上、英語力の高さ、教育水準の高さ、子育てのしやすさなど、非常に魅力的な国とのことです)、今後もタレント活動を頑張りつつ、知名度を高めてビジネスも手がけたい、という展望を抱かれていました。

そのためにはテレビの出演を増やさないといけないのですが、マレーシアのテレビ業界ではネットワークが重要なので、クアラルンプールでメディアや業界人が集中しているエリアで生活をし、地道に顔を売っているそうです。

ただ、マレー系はイスラム教でお酒が飲めないため、飲みニケーションはお酒ではなくコーヒーだそうで、コーヒーだけで午前3時まで飲み明かす、みたいなことも多く、カフェイン摂り過ぎて帰宅してからも寝れない日もあるそうです(笑)

と、こんな感じでご自身の活動やマレーシアの文化などを面白く話してくださったのですが、トーク力もさることながら、とてもホスピタリティに溢れた素敵な方で、ご飯をご馳走になったばかりか、お土産までいただきました。圧倒的感謝です!

KLキンジョーさんは現在、タレント活動だけでなく、日本企業がマレーシアに進出する際のプロモーションのお手伝いや、H.I.Sと組んでクアラルンプール観光のアテンドなどもされています。

ご興味のある方は、ぜひKLキンジョーさんにお問い合わせください。

マレーシアでいちばん有名な日本人になれるよう、応援していきたいです!