ベトナム人のシリアルアントレプレナー(連続起業家)で、現在はハノイでオフショア開発会社「Kiwi Universe」を経営している タイハーさんとお会いしました。

タイハーさんは、2000年に設立された立命館アジア太平洋大学(APU)のベトナム人第一期生で、2003年に設立されたAPU校友会(APUの同窓会組織)の立ち上げメンバーでもあります。

APU卒業後は、ベトナム最大手のIT企業「FPT Software」の日本法人の立ち上げにたずさわり、その後、ベトナムに帰国して、McDonaldのベトナム進出の支援やIT企業の経営(後にバイアウト)などを手がけ、2014年からKiwi Universeを経営されているとのことです。凄いキャリア!

Kiwi Universeは、政府系機関の案件や、ベトナムローカルの大手企業の案件も多く手がけており、また、外資のSIerがそういった案件を手がける際の橋渡しもされているそうで、ネットワークが重視されるベトナム社会で、ベンチャー企業がなんでそんなことができるのですか?と尋ねたところ、APUへの留学やAPU校友会での活動の中でネットワークが形成されていった(ベトナム人第一期生として政府や大手企業も注目・助力をしてくれたり、APUの後輩が今では政府系機関で活躍されたりしている)とのことで、やはり第一人者、コミュニティのハブとして活動する人は違うな、と思いました。

また、Kiwi Universeは社内ベンチャー的に次々とビジネスが立ち上がり、それが子会社として独立して、グループ企業が形成されていっているとのことで、シリコンバレーのPayPalマフィアみたいな感じだなと思いました。社名の「Kiwi」(果物のキュウイ)も、キュウイは断面は真ん中が空洞で(トップダウンではない)、星のような模様で(メンバーが各々スターとして活躍)、そういうカルチャーを込めているとのことでした。

タイハーさんの最近の取り組み、問題意識としては、ベトナムでは人口あたりの弁護士の数が非常に少なく、企業や市民が弁護士にアクセスすることが困難なこと、逆に弁護士側も業務過多でコアな業務に集中できていないことから、リーガルアシスタントサービスを開発して、弁護士側の立場から業務をサポートしたり、クライアント側の立場から、AIによるリーガルアドバイスを受けられるようにしたり、さらには、弁護士ドットコムのような弁護士とクライアントのマッチングサービスを開発したりと、色々計画、開発されているそうです。

ベトナムの弁護士問題の解決に向けた取り組み、応援したいですね! タイハーさん、ありがとうございました!