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中国のトップ大学の学生は何を考え、何を学んでいるのか

中国のトップ大学である北京大学学んでいる日本人留学生の方から、なぜ中国の大学に進学したのか、中国の大学生は何を考え、どんなことを学んでいるのか、お話を聞きました。

急成長する中国で留学をしたい、子供を留学させたい皆さんには、必見の内容です。

 

【中国の大学への進学】

留学というとアメリカのイメージが強い。でも最近は中国やシンガポールなど、アジアの大学の人気が高まって、注目を集めている。アジアの大学といったら東大がトップだったのが、今は北京大学などが人気

 

【北京大学を選んだ理由】

・単科大学が総合大学に変わり、色んな人が来るようになった

・留学生が多い

・アメリカのトップ大学の中国人教授が中国の大学に帰ってきて教鞭をとってる

・チャレンジ精神旺盛な学生が多い

・学生の多様性。中国のあらゆる省から来ているし、留学生も多いから国籍も様々

・進路の多様性

・中国の就職条件の良さ。中国からアメリカに進学した学生が帰国するパターンも有る。グリーンカードですら、中国の学生を引き止められない

 

【受験】

・北京大学受験システムはアメリカ受験と同じシステム

・語学力の入学要件は厳しい。英検でいうと1級レベルの中国語の語学力が要求される

 

【大学生活】

・自分は8科目20単位履修した。日本と比べると数が少なく感じるかもしれないけど、学習と復習と予習の内容の比率が日本と違うがゆえ。

・中国では、入学時点で学部は決まるが、専攻はまだ決まっていない。

・中国人学生と留学生が一緒に授業を受ける。授業は中国語と英語で行われる

・様々な学年の学生と一緒に授業を受ける。同じ授業を選択すれば学年関係なし。向上心が刺激される

・授業はパワポを使用。PCでノートを取る生徒が多数。これは中国独特の環境。アメリカは、一部の授業ではPC持ち込み禁止だったり。ノートのほうが知識が身につく、という古い考えの教授がいたりするから

・体育と数学以外のすべての授業でグループ課題があった。10人くらいで1グループ。

・論文が多い。入学してから1500字(日本語だと4500時)くらいの小論文を欠かされた。1学期で7本の論文を書いた

・大学といえば寮生活。中国の独特な制度はクラス活動。1学年辺り1〜3クラスに分かれている

・指導員がいて、学習の進展などを気にかけてくれる

・寮生活だから、あまり家に帰らない。皆で過ごす。クリスマスとか、元旦とか、祝日は寮のメンバーで祝う。独身の日に女子学生が男子学生にサプライズプレゼントをしたり

・クラス対抗行事で練習を重ねてクラスメートの絆を深めたり

・日本の大学みたいにサークル活動もある

・北京大学や清華大学などのトップ大学は各国の学者・首脳が訪中する際のプラットフォーム

 

【「スマホ社会」の大学生活】

・WeChatやAlipayアプリは大学生活に密着している。

・WeChatだと、Mobikeで自転車借りて、鉄道切符を予約して、ときにDIDIを使って車を手配して、通販や出前で買い物や食事も。授業毎にWeChatグループを作り、1,課題の討論、2.事務連絡、3.先生に質問をして、学生同士や、学生と教師の距離が近くなる

・Alipayだと、新学期のアドバイス、各大学のスピーチイベント情報、インターン探し、バイト探し、さらに生徒証(IDカード)にチャージして学食や購買部で買い物できたり

・シェアサイクルのofoやMobikeでキャンパス内も移動。ちなみにofoは北京大学の卒業生が創業したので、北京大学内ではofoのシェアが高い(北京市内だとMobikeのシェアが高いけど)

・90年〜2000年代はイノベーションのネイティブ世代。イノベーションを受け入れ、そして生み出せる世代。スマホの活用が当たり前

 

【同窓文化】

・中国のトップ大学では「同窓文化」がある。同じ大学の同級生、先輩、後輩は、いつまでも

・北京大学の卒業生のバイドゥの創業者の李さんが講演に来た。あくまでも先輩、後輩という関係で来て、話をしてくれた。会社の上司と部下、起業家と投資家など、同窓コミュニティがある

 

【卒業条件】

・卒業条件は3つ。

・1.インターン(4単位分)

・2.卒業論文(4単位)

・3.合計約140単位(大学や学部によって差があり)を履修する

・インターンが卒業条件というのは面白い。それだけ即戦力を重視している

 

【進路】

・学部生の院進率、特に海外進学率が高い。修士卒業で就職する学生が多い。北京大学だと、75%の生徒が大学院に進んだ。44%は国内、30%は海外(特にアメリカ)の大学院に進学

・院に進学すればより深い学びを得られる。沢山の観点を得られる

・学部卒業と院卒業では、給料がぜんぜん違う。だから院に行きたがる

・国有企業(銀行とか)への就職が多い。バイドゥ、テンセント、アリババなどの大手IT企業も人気なんだけど。

 

【中国の学生の就職観】

・①大学の専攻と職種が直結

・②報酬は「伸び率」を重視・初任給は日本とあまり変わらないけど、企業の拡大と合わせて猛スピードで伸びる

・③一般の就活の他、大学OB,OGからの職業紹介がいい。同窓文化の恩恵

・④2〜5年で同業種内で転職してキャリアアップ。Tencentは3年以内にやめる人が多いし、Alibabaでも勤続年数に応じて報奨があるのも、「そういうこと

・キャリアアップや起業する人も多い。近年は、故郷(中部や西部)にUターン就職する人も、少し出てきている

 

【中国に留学している日本人留学生の就活】

・中国人学生とは少し違う

・大学ごとに日本人留学生コミュニティがある

・そのコミュニティ(WeChat)のグループ内で就活、バイト、インターン情報が流れてきたり

・中国に進出している日系企業からの採用も多い

・日本人留学生間も同窓文化が根付いているので、先輩が就職した会社に就職したりとか

 

【まとめ】

・中国の学生は多様性に飛んだ環境で学んでいる。出身、学年、国籍が多様

・寮生活とクラスの絆で、卒業後も助け合う同窓文化が根付く

・今の中国の大学生はイノベーションネイティブ。これからのイノベーションを担う人材

・学生時代から将来の働き手であるという自覚を持って勉強し、インターンなどもしている

 

海外のトップ大学の学生の学びに対する意識、姿勢は本当に圧倒されます。

そして、中国の大学のユニークなところは、アジア圏だけあって、同窓文化が強く、人脈が就職、仕事、それどころか起業でも、大学の同級生、先輩後輩関係が重視されるところです。

今後の中国の発展を考えれば、中国の大学に留学することは、学びだけでなく、中国での人脈という得難い資産を得られると思います。

協力:留学フェローシップ
Webサイト:http://ryu-fellow.org/
現役留学生による高校生の海外大学進学支援を行うNPO。弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所も活動を支援しています。
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