名前は時々聞くけど、何をやっているのかいまいち分かってない人も多い「Bloomberg」(ブルームバーグ)のNY本社を訪問して、創業35年の歩みや今後の展望を聞いてきました。

Bloombergは、経済や金融の分野を中心とした情報を配信する大手総合情報サービス会社ですが、最大の収益源は、情報端末「Bloomberg」を提供するサービスです。

「情報端末」といっても、BlackBerryみたいな専用ハードウェアではなくソフトウェアになります。

以前からサービスの概要は知っていましたが、今回初めて目の前で操作を実演してもらい、3万を超える機能数による圧倒的な情報の網羅性・集約性に驚きました。

例えば、「TOYOTA」と検索すると、TOYOTAの株価に影響するありとあらゆる情報が一覧で表示されて、どれか一つをクリックすると、そこに関連する情報が紐付けで無限に出てくる感じです。

(ちなみに、大勢の著名投資家のポートフォリオをリアルタイムで分析する機能もあるのですが、社長のマイケル・ブルームバーグは載ってませんでしたw)

ただ、そこで思ったのが、情報を提供するだけの専門家は生き残れないんだろうな、ということです。

Bloombergは、社長のマイケル・ブルームバーグが1982年の創業当時、債券の取引市場が不透明で、売り手と買い手に情報の非対称性がある(売り手は適正価格を知っているが、買い手は知らない)問題に目をつけて、それを解消するための債券取引情報提供サービスを手がけたのが始まりです。

つまり、情報の非対称性は、最終的にはテクノロジーによって解消されるということです。

で、僕(弁護士)のような専門家は、これまではクライアントとの情報の非対称性がサービスの価値の源泉でしたが(クライアントが知らない情報を提供するのと引き換えに対価をいただく)、AIやリーガルテックの発達によって、botに質問を投げかければ法令や裁判例などを即座に提供してくれる、1ライセンス月額数千円のサービスも出てくると思います。

そうなったときに、単に法令や裁判例を「知っている」だけの専門家は、そういったサービスに敵わないでしょう。

そこで、どこで付加価値を出すかが重要になってくるのですが、僕はその一つの鍵として、クライアント(顧問先)が欲しているのは、「法的に正しい情報」ではなく(それは当然の前提として)、「安心感」にあるのでは、と思います。

法律知識やトラブル対応のノウハウを持っていない中で、日々経営判断をしなければならない経営者や、部署移動で管理部に来てしまった社員の皆さんが弁護士に求めるのは、まさにそれかと。

僕がクライアントとのやり取りにチャットワークを使っている理由は、いつでもどこでも気軽に相談できて、すぐに答えが返ってくるという「安心感」を提供するためでもあるのですね。

BloombergNY本社ラウンジスペースにて