Greater Bay Area、それは広東(深セン)、香港、マカオの一大経済圏を指す言葉です。

GBA構想は、製造(イノベーション)の広東(深セン)、金融の香港、カジノや文化のマカオの連携と発展により、中国経済を大きく躍進させるというもので、「一帯一路」構想とともに中国の重要な国家戦略となっています。

そのGBAの現況について、スイスの大手プライベートバンクUBSの香港支店でアナリストの方からお話を聞いてきました。

UBS香港支店

・GBAの人口6800万人=日本の人口の半分くらい

・GBAのGDPは1兆3000億円=ロシアよりは少し小さく、メキシコ、スペイン、オーストラリアよりは大きい

・貿易が強い。GBAのコンテナの輸送量は全世界No.1

・中国はGBAの発展のために様々な方策を打ってる。昨年は習近平が香港に来て、GBAの各市長との協力関係の調印式にも参加した

・インフラ整備が盛り上がっている。中国政府からも支援を受けている。鉄道や高速道路、橋などを建設。GBAの各地が物理的に連携しやすくする

・GBAの1人当りのGDPは2万2000米ドル。お金が稼げるエリアなので、人が集まっていて、人口も増加している

・深センのGDPは中国国内の平均の2.5倍

・GBAで伸びている産業はmインフラ、テクノロジー、ロジスティック、プロパティ、ファイナンス、など

・深センは30年前は人口約3万人の漁村。それが今や約1200万人の巨大都市

・1980年台 加工貿易の集約 安い人件費で製品を

・1990〜2000年台 加工貿易集約によるサプライチェーン構築期ー労働力と技術力の集約

・2008年〜 加工貿易からのシフト、オリジナル製品開発期ー技術・人材・物の集約

・現在 イノベーションの中心地

・成長要因→

行政による手厚い支援、若く優秀な人材が豊富(15〜64歳が人口の83%)、起業を支援する組織や企業が終結(企業数は113万社、人口の10人に1人が社長になる計算」、巨大なサプライチェーン(産業集積)が存在、欧米のイノベーションハブとのつながり(数多くのフォーチュン掲載企業がオフィスを構えている)

・深センの代表的企業→

ファーウェイ、テンセント、ZTE,BYD、長城計算機、DJI

最近日本でも深センが注目されるようになりましたが、中国的には深セン単体が盛り上がっているのではなく、Greater Bay Areaの一翼を担う広東の中の一角、という位置づけなのですね。

複数の都市をまたいた一大経済圏の形成という、中国のダイナミックな国家戦略を感じました。